アドリーナは海の底で。

なんでもあり と なんにもいらない は よく似てる

 部屋の外で、ぬこ様が

私を呼んでいるのだが、
扉は開いているのに入ってこないし鳴き声も妙なので
「どうしたー?」と声をかけてみると、何やら嬉しそうに入ってきた。
「何さ?」と振り返ってみると、なんとぬこ様ったら口になんか獲物をくわえているじゃあないの。
ぬこよ。『やったよ見て見て褒めて』てことか。
まさかGじゃあないでしょうな。
「ぎゃあ」
外に逃げ出しながらよくよく見れば……ああ、ねずみか。
ならよし。
「にゅあ」
私の態度に驚いたのか、それとも外の雨音が気になるのか、落ち着きのない様子のぬこ様はすぐに母のいる居間へ行ってしまった。
おや、傷つけてしまったか。
追いかけてみると、テーブルの下でしょぼくれたようにネズミを弄んでいた。
ほいほい、おまえは偉いよ、よしよし。
獲物は自分で全部食べろな?


どうやら雨のせいで外に出られず、暇を持て余しているようだ。
今は私の膝の上で、パソコン画面を見上げている。