アドリーナは海の底で。

なんでもあり と なんにもいらない は よく似てる

 痴漢

傘の柄になんか当たってるナーと思ったらチンコだった。
目の前のオッサンが恍惚と擦りつけている。
コイツは私の手に擦りつけているつもりなのだろう。
カッとなって睨み付けようかと思ったが、ちょっと待てよ?
私は次の駅で降りるのだ…その時に外に押し出してやったらどうだろう。
チンコ丸出しでどんな言い逃れが出来る?


7分間ぐっとこらえて、次が降りる駅。心の準備を整える。
ドキドキしてきた。
ドアが開いた。同時に、サッと背中に回り込む。
オッサンは気付いていない。馬鹿め。
大勢の人並みに押されるような振りで外へぐいぐい押し出してやった。




おしい!
なんと逃げられてしまった!
振り返ると、車内で焦ってファスナーを上げるオッサンが見えた。



おっさん。 痴漢は犯罪なんだよ。